アトピー性皮膚炎や乾癬が候補疾患
株式会社アールテック・ウエノは20日、同社が開発中のVAP-1阻害剤である新規化合物「RTU-1096」の第1相臨床試験を開始したと発表した。
同剤は、抗炎症作用や免疫調節作用を有する薬剤。アトピー性皮膚炎や乾癬などの皮膚科疾患を候補疾患として開発されている。
新たな作用機序を持つ薬剤として
アトピー性皮膚炎は、アレルギー体質等により皮膚のバリアー機能が低下し、かゆみを伴う慢性の湿疹・皮膚炎を生じる疾患。乾癬は、炎症性に皮膚が角化し、赤い発疹や丘疹がみられる疾患。いずれも治療は主にステロイドなどの軟膏が用いられ、長期間投与による副作用の懸念といった課題があった。
VAP-1は、糖尿病・アトピー性皮膚炎・乾癬・肥満・動脈硬化・心疾患などの疾患において、血清中または体のいろいろな組織で増加がみられるという。そのため、過剰になったVAP-1の機能を抑制するVAP-1阻害剤は、新たな作用機序を持つ薬剤として、期待されている。
患者のQOL向上にも貢献
実施される第1相臨床試験は、「RTU-1096」の単回投与における安全性・忍容性および薬物動態を検討することを目的としている。試験は、プラセボを対照とした二重盲検試験として実施される。
同社は、VAP-1阻害剤が既存の治療で効果不十分であった患者に有効な可能性があると考え、また経口剤であることから患者のQOL向上にも貢献するとしている。
VAP-1阻害剤RTU-1096の第1相臨床試験開始についてのお知らせ - 株式会社アールテック・ウエノ
http://www.rtechueno.com/investor/press/