AIJだけじゃない、危険な投資が横行
AIJ投資顧問会社が企業年金から委託された資金の大半を消失された事件は、さらなる拡大が見込まれる。
厚生労働省が1日に行った調査では、リスクの高い投資に3割以上の資金をつぎ込んでいる基金が34にものぼることが判明した。
wiki今集めて、支払いは数十年後
そもそも年金は詐欺師にとって非常に魅力的なシステムだ。集金と支払いには数十年のタイムラグがあるため、盗んでから発覚するまでに長い時間がある。
その間に、証拠はうやむやになるので、「横領」を「損失」につけ替えることも難しくない。
実際、公的な年金ですら、社会保険事務所職員による横領が横行していた。あまりに件数が多すぎて、起訴できなかったほどである。
公務員に預けてもそのざまである。「年金管理者を見たら泥棒と思え」くらいの感覚で外部監査システムを導入しなければ、資金が消えてしまうことはすでに立証されている。
小室事件につながる黒い人脈
そもそもAIJ投資顧問には、黒い過去のある人間が集まっている。
取締役の松木新平氏は、総会屋が絡む証券不祥事で1997年、東京地検特捜部に逮捕されたこともある。
集めた資金はグループ会社のアイティー証券を通じてケイマン諸島へと流れているが、アイティー証券も05年には不正な株取引の疑いで、大阪地検に踏み込まれている。
同社には、関西の大物仕手筋との関係がうわさされており、詐欺事件で逮捕された小室哲哉に月利5%という超高利で3億円を貸し付けていた建設会社もこれに連なる。
ここまで闇の深い会社に年金を預ければどうなるか、容易に推測できたはずだ。
◆AIJ投資顧問
http://www.aim-ij.com/