広告が顔認証で性別を判断
英国で新しい技術を導入した広告が設置された。顔認証技術を用いて、見る人の性別により、表示する広告内容を変えるというもの。2日のCNNが報じた。
女性差別の映像は女性だけに
同広告は、英ロンドンのバス停に設置されたもの。高精細カメラを用いて、撮影した人物の顔を認証。鼻の長さやあごの形などでコンピューターが識別する。
識別の正確さは90%程度。女性と判断した場合には、世界の貧困国で女性が不当な扱いを受けていることを訴える映像が流れる。
男性の場合、映像はなく、教育を受けられない少女が世界に7500万人いる、という統計だけが映し出される。
広告を計画した児童保護団体は、この広告について「差別により女性が男性と均等な機会を与えられていない現状を訴える狙いを込めた」と語る。
視覚での判断は差別では?
広告をプランニングした団体の意図には、いささかの疑問がある。
女性らしく見えるかどうかを基準に「女性」と定義することは、差別につながるのではないだろうか?
性同一性障害を抱える人では、外見と内面に大きな齟齬が生じているケースもある。
差別を訴える広告が差別を促進しているように見える、と言ったら言い過ぎだろうか?
◆CNN
http://www.cnn.co.jp/tech/30005786.html