ニワトリの大脳皮質を切除
脳の一部を切除して、植物状態に加工したニワトリをプラントで「栽培」する。そんなコンセプトを英国の大学が発表。倫理的な側面などから、議論を集めている
underwireチキン版、リアル「マトリックス」
世界的な人口増加が止まらない中、食糧不足に悩む地域は少なくない。特に肉は、生産にコストを要するため、先進国以外では常に不足しがちだ。
英国の大学、Royal College of Art(RCA)では、建築学科で都市農業を研究するチームが、植物状態のニワトリをつり下げ、最低限の栄養補給だけで肉を生産するプラントのコンセプトを発表した。
植物状態のニワトリが、プラントに縦につり下げられ、栄養チューブにつなげられているコンセプト画像は、まるで映画「マトリックス」の人間プラントだ。
効率的で苦痛が少ない?
このプラント最大の利点は、肉を生産するコストが抑えられること。大脳皮質を切除され、つり下げられたニワトリは、動き回ることがないため、最小限の栄養素で育てられる。
また、ニワトリを縦につり下げることで、単位面積あたりの収穫量が飛躍的に増大する。
一見、グロテスクなコンセプトだが、せまい鶏舎に押し込められて、食肉処理されるまでの日々を過ごすニワトリの苦痛は、大脳皮質をとってしまうことで削除される。
論理的にはいいことづくめのようだが、同大学は、芸術・デザインを専門とする大学であり、実現の可能性は不明だ。
◆Farming the Unconscious
http://www.we-make-money-not-art.com/archives/2012/02/farming-the-unconscious.php