がん検診で寿命が縮む
日本では多くの人が定期的な健康診断を受けている。検診には、肺がんのレントゲン検査なども含まれる。
この検査によって寿命は延びず、むしろがんを誘発するという考えを新潟大学医学部の岡田正彦教授が15日の現代ビジネスに掲載した。
肺がん検診でがんになる
レントゲン検査にはX線を用いる。イギリスの研究チームが行った調査では、日本人のがんのうち3.2~4.4%はこの被曝によるものだという。
また、90年代にチェコスロバキアで行われた追跡調査によると、肺がん検診を受けていた人の方が、受けていなかった人より、肺がん死亡率が圧倒的に高かった。別の病気による死亡率まで高かったそうだ。
人間ドックがあるのは日本だけ
そもそも世界には、人間ドックという言葉がない。胃がん検診を受けるのも、日本人だけだ。
検診によってがんなどを早期発見できれば、早期治療が可能だが、そのメリットと検診による被曝などのデメリットを比較する大規模な調査は、日本では行われていない。
にもかかわらず、検診の効果が語られるのは、病院にとって経済的なメリットが大きいためだ。
乳がん検診で寿命が0.5歳延びる?
一方、検診による効果をうたう医師もいる。帝京大学の諏訪邦夫教授は、厚生労働省のHPなどからピックアップした情報を元に簡単な計算を行った結果として、検診を受ければ、受けない人に比べ、平均寿命が0.5歳伸びる、としている。
この伸び率は小さいが、乳がんの死亡年齢は55歳がピークであり、検診を受けることで、平均寿命の87歳まで生存できるのであれば価値は大きい、と分析した。
◆新潟大学医学部 岡田正彦教授
http://www.geocities.jp/okadaj1540/member1-j