自己申告で12人が寄付を告白
原子力安全・保安院は9日、審議会などの委員による自己申告で、原子力関係の企業や組織からお金を受け取っている委員が12名いることを発表した。
規制対象である企業や団体からの寄付について、原子力安全・保安院では「問題はない」としている。
内閣府の原子力安全委も新原子力大綱作成委員も
同様のケースは、原子力関係のあらゆる委員会で見られる。
内閣府原子力安全委員会は、中立的な立場で電力事業者のみならず、国をも指導する権限を持つ。
この安全委員と非常勤の審査委員89人のうち約3割にあたる24人が、2010年までの5年間に原子力関連の企業や団体から、計8500万円にのぼる寄付を受けていた。
また、国の新たな原子力政策を作成する新原子力大綱作成委員の中にも、業界から寄付金をもらう者がいる。
専門委員として名を連ねる大学教授3名で、合計1839万円の寄付を受けていたことが、朝日新聞の取材でわかっている。
「よい原子力のために」前代未聞の言い訳
寄付金を受け取っていた大学教授のうち、東京大学の田中知教授はこう語る。
「研究のために受けている。寄付で、策定会議などでの発言が影響されてはいけないという意識がかえって高まる」
不可思議な言い訳である。同教授は、お金を受け取らない場合には、自身の発言について中立性を意識しない、ということだろうか?
同じく京都大学の山名元教授の言い訳も意味不明だ。
「原子力を前にすすめるための寄付なら受ける。癒着ではない。よい原子力のためには業界との協力は必要だ」
原子力はエネルギーに過ぎず、倫理観など持たない。よい原子力も悪い原子力もない。
さらに言えば、「原子力を前に進めるための寄付なら受け取る」というのなら、新原子力大綱を作成するにあたって、「脱原発」という選択肢はなかったことになる。
これを癒着と言わずして、なにを癒着と呼べばいいのだろう?
◆ざまあみやがれい!
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65789153.html◆原子力安全委員会
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