消費税増税効果は一時的
消費税率を上げて債務の増加を抑えたとしても、効果は一時的なものにとどまる。スタンダード&プアーズ(S&P)の格付け部門ディレクターに対するこんなインタビュー結果を1日のロイターが伝えた。
格付けは経済成長の動向を見て
ロイターの取材に答えたのは、S&Pのソブリン格付け部門ディレクター、小川隆平氏。
同氏はロイターの電話取材に対して、消費税増税の効果は一時的なものにとどまり、日本はさらなる増税、支出削減が必要になる、と答えたという。
さらに日本の格付けは長期的な経済成長の動向にも影響される、と述べている。
消費税5%増税の翌年にはマイナス成長
消費税は1997年の4月1日、それまでの3%から5%に引き上げられた。翌年の経済成長率は、マイナス2.05%と大きな落ち込みを記録した。
また消費税が導入されたのは1989年だが、翌1990年以降は93年まで右肩下がりの下落が続いている。
原油高、円高などのハンディキャップを背負い、多くの企業が内需へのシフトを余儀なくされる中、消費税増税がもたらすデメリットは大きい。
国債の信頼性に大きな影響をもたらす格付けすら、むしろ下がる可能性すらあるのだとしたら、増税によってなにを得ようとしているのか、見直す必要がある。
◆ロイター
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE81K1N120120201◆世界経済のネタ帳
http://ecodb.net/country/JP/imf_growth.html