報道の自由、日本では悪化
パリに本拠を置く国際的なジャーナリスト組織「国境なき記者団」が25日、世界の国々や地域を対象とした報道の自由度ランキングを発表した。
昨年11位だった日本は、ランキングを大きく下げ22位に後退した。
ナミビアより下、スリナムと並んだ
国境なき記者団では、毎年「報道の自由度ランキング」を発表している。
今年のランキングでは、昨年民主化運動が相次いだアラブ地域で、大きな変動が見られた。
「アラブの春」と呼ばれる民衆の蜂起で軍事政権が倒され、民主化が実現したチュニジアでは、ランクを30位アップして134位に。リビアも6位アップして154位となった。
福島第1原発事故など原発関連報道で、一連の「情報統制」を露呈した日本はランキングを落とす結果となった。
22位はアフリカのナミビア共和国より下。南米のスリナムと並ぶ評価だ。
民主主義は自由な報道を必要とする
国境なき記者団では、「民主主義は自由な報道を必要とする」と述べている。
米国では、ウォールストリートの格差解消デモを取材したジャーナリストが、多数拘束された。その結果、ランキングは昨年の20位から47位に下落した。
政府による報道規制がもっともあからさまな北朝鮮は、昨年と同じくブービーの178位にとどまった。
こういった国々と比較すると、日本の22位はまだまだ安心とも思える。だが嘘がはびこる原発関連の情報を取材し、報道する過程で、記者が拘束された例も、逮捕された例もない。
むしろメディア自身の自主的な規制によって報道が制限されている様子が垣間見える。拘束さえされない、政府や大企業と仲良しのジャーナリズムは、はたして民主主義に必要とされるものなのだろうか?
◆REPORTERS WITHOUT BORDERS
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