災害用伝言サービス間の連携必要
12月27日、総務省の「
大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方に関する検討会」の第8回会合が開催され、最終的な取りまとめが行われた。同検討会は、緊急事態における通信手段の確保について昨年4月から検討を続けていた。
昨年3月11日の
東日本大震災時、NTTドコモでは、通常の約50〜60倍のトラフィック(データ通信)が発生し、輻輳(※)状態となった。また、被災地では通信インフラ自体も大打撃を受け、さらに、停電によりバッテリーや自家用発電機の燃料の枯渇が起こるなど、種々の原因から通信障害が発生した。
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Wesley Fryer]
今回発表された最終取りまとめでは、輻輳対策としては、
・交換機の設計容量の見直し
・基地局の増強
・輻輳に強いネットワークの研究開発
などが提言されている。また、音声通話によらない「
災害用伝言サービス」の利用促進を図ることの必要性も言及されている。
しかしながら、
災害用伝言サービスには、現在、
・音声による災害用伝言ダイヤル
・Webによる災害用伝言板
・携帯電話による災害用伝言板
の3種類があるが、これら3種類のサービスは相互に連携していない。そのため、「登録情報の横断的な検索ができず、安否確認を迅速・的確に」行えないとの指摘がなされた。今後、各サービス間の連携を早急に実現すべきとしている。
緊急時の携帯事業者間のローミングが課題
同時に、緊急時においては、携帯事業者間で
ローミング(他社回線の利用)を可能とした方がよいという意見が出されたが、各事業者はこれに対してはあまり前向きな姿勢ではないようだ。110番・119番などの緊急通報に限っての
ローミングは、EUの多くの国で実施されているという。検討会は、通信事業車間で
ローミングに関する協議・検討をすることが適当としている。
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Dominik Syka]
電源確保に関しては、すでに事業者がその増強を予定している。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクともに、今後全国2,000か所程度の携帯基地局で24時間以上稼働できるバッテリー等の配備を予定しているという。ガソリンなどの燃料については、検討会において、
・緊急時の燃料の確保・輸送に関するルール・体制の確立
・国家レベルでの燃料確保と業界への割当て
などの意見が示された。
このほか、今回の震災を踏まえ、今後のネットワークインフラの在り方やインターネット利用の在り方についても検討され、アクションプランが設定された。
※輻輳:交換機の一定時間内に処理できる能力を超える電話が集中することにより発生するいわゆる「電気通信網の渋滞」のこと。(総務省資料による)
総務省:大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方-最終取りまとめの公表-
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban02_02000043.html