出版間際の原発本を発禁に
福岡に本拠を置く地方紙、西日本新聞社が九州電力玄海原発を批判する本の出版を企画しながら、出版間際になって中止にした。16日の朝日新聞が報じた。
玄海原発批判がネック?
同書は環境活動家、田中優氏(54)に西日本新聞社の事業局出版部から同氏の講演内容を本にしたい、と持ちかけたもの。
田中氏は2009年7月、環境問題などをテーマに、福岡市で講演を行った。この際に、出版の依頼を受けたという。
昨年10月には発売が決まり、書店からの予約注文も受け付けを始めた。その矢先、西日本新聞社は突然ストップをかけ、玄海原発のプルサーマルについて批判した部分の削除を田中氏に求めた。
すでに20冊以上の著書がある田中氏は、「他の本で書く機会がある」として削除に応じたが、結局同書は西日本新聞社から出版されず、別の出版社から出ることとなった。
九州電力が2番目の株主
西日本新聞社は九州地域を主な販売地とするブロック紙。論調は「やや左より」と言われるが、九州電力が2番目の大株主になっている。
また西日本新聞社側も九州電力の株式を持つなど、関係が深い。福島第1原発事故以来のマスコミ報道を見ていると、原発への風当たりが強くなる中、腰砕けになるのはむしろごく自然なことに思える。

◆西日本新聞
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