明治の粉ミルクから放射性セシウム　そもそも牛乳は安全か？

明治の粉ミルク「ステップ」から最大30.8ベクレル/kgの放射性セシウムが検出された。

乳幼児が利用する製品だけに、子どもを持つ母親層が受けた衝撃は大きい。他の乳製品は安全なのか、心配する声が高まっている。今回放射性セシウムが検出された明治「ステップ」の原材料は北海道や米国で、震災前に搾乳されたものだという。

粉ミルクを製造する際にはこの原材料を地下水で溶かし、熱風をあてて乾燥させる。地下水からセシウムが検出されなかったことから、明治では工場に取り入れた外気に含まれていたものと推測している。

製造されたのは3月14日～3月20日。工場は埼玉県春日部市にある。群馬大学早川教授の作成した地図を見ると、たしかにその時期、「群馬ルート」と名付けられた風の流れにより、福島第1原発から春日部市へと汚染物質が流れている。

明治の工場では、外気の取り入れ口にフィルターを装着しているが、放射性汚染物質を取り除く機能はないという。

チェルノブイリ原発事故で飛散した放射性ヨウ素粒子は0.3～1.0マイクロメートルの大きさだった。

一般的に放射性物質を防ぐには、0.3マイクロメートルまでを除去できれば有効だという。

花粉症の原因となるスギ花粉の大きさは30マイクロメートルくらいなので、その1/100程度の大きさだ。

今回、明治「ステップ」の汚染が発見されたのは、福島県二本松市にあるNPO団体が購入した同製品を独自に調査した結果である。

農産物などの一次産品には検査基準があるが、加工品については国の定めた基準は存在せず、各社の「独自性」に任されている。

乳製品をあつかう企業の団体、日本乳業協会は、給食用に納入されている牛乳について、放射性セシウム濃度の発表を拒否している。

10月には宮城県産の牛乳から25ベクレル/kgのセシウムが検出された。こういった牛乳を原料とする加工品に統一的な検査基準がない現状は、まさにどこまでも心配すべき状況と言える。



◆明治ほほえみクラブ
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