無反省でなしくずしの再稼働
政府は16日、関西電力大飯原発3号機および4号機の再稼働を決めた。結局、福島第1原発からなにも学ばず、なにも変革しないままの再稼働には疑問の声が高い。もし福島第1原発と同規模の事故が起きた場合、経済的被害460兆円、死者40万人を超える、との試算もある。
事故発生なら日本は壊滅する
大飯原発3号機、もしくは4号機で、福島第1原発で発生したのと同様の「メルトダウン」事故が発生したら、どのような被害が生じるか。福島第1原発事故と同じ炉心溶融が起きたときの試算を京都産業大の朴勝俊専任講師(環境経済学)が2003年に発表している。
風向きによって被害規模は異なるが、北風の場合には、京都や大阪が被害を受け、50年間にわたって、約460億円を超える経済的損失が発生する。
セシウムなどの汚染物質が残留することから、風下側では、160km~200km圏内が居住禁止に、農業禁止地域は500kmを超える地域にまでおよぶ。
福島第1原発で事故が発生したときと同じく西風が吹くと、東京都・神奈川県などが直撃を受けるため、死者が急増。約40万人を超えることになる。
加入している保険では、最高600億円しかカバーされないため、関西電力や政府はこの被害を補償することもできない。
危険は検証せず、なかったことに
福島第1原発事故により原発の持つ危険性があらわとなった。それまで政府や電力会社が宣伝してきた「安全」が嘘や誤魔化しのうえに成り立つものであることを多くの国民が知るようになった。
原子力発電所を再開するには、そういった嘘や誤魔化しをやめ、安全性を再度チェックする必要がある、というコンセンサスを民主党政権も認めてきた。
地震に際しての危険性。津波対策。テロや航空機衝突への備え。世論が反原発に傾く中、こういった心配ごとを一つ一つ検証していく、と語ってきたはずである。
にもかかわらず、大飯原発の再開にあたって、検証されたのは津波対策のみだ。専門家が指摘したにもかかわらず、直下をはしる活断層は無視され、テロへの備えは話題にも上っていない。
金正恩暴発で国家壊滅
東京電力のホームページでは、Q&Aのページに「原子力発電所はテロが起きても大丈夫ですか?」との質疑がある。
東京電力が行っているとするテロ対策は、「監視カメラ、防護フェンスの設置」、金属探知機による持ち込み品のチェック」、「IDカードによるチェック」などである。
監視、防護機能を高め、いかに入場者のチェックを試みたところで、武装した警備要員を配備しない限り、「武装した集団が海辺から上陸する」などのケースには対処できない。
また、ノーチェックで原発内に入れる「作業員」に、暴力団関係者などが集めてきた身元の定かでない人間が混じっている、との指摘は福島第1原発の現場でも再三みられている。
福井県の海岸では、地村保志さん、富貴惠さんの拉致事件など、北朝鮮工作員の上陸が何度も確認されている。
昨年、北朝鮮は金正恩体制に移行したが、政権は安定していない。金正恩は過去、デノミの失敗など、政治的なエラーをおかすたびに、韓国護衛艦撃沈や延坪島砲撃など、過激な武力行使にはしってきた。
大飯原発を標的とするテロのリスクは、無視できるほど小さくないうえに、国家が壊滅するほどの被害をもたらす。東京電力のHPでは、テロ対策について、下記のようにまとめている。
しかしながら、何よりもまず、そのような事態に至らないよう、警備体制の強化はもちろん、あらゆる外交的努力、政治的努力が傾注されることが重要です。
政府への丸投げである。投げられた野田政権は、なにもしていない。大飯原発の「安全性」はこういった状況下で保証されたものにすぎない。
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◆名古屋タイムズ画像
http://userdisk.webry.biglobe.ne.jp◆大飯原子力発電所
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