不法移民の75%がトルコとギリシャの国境を越えて
ギリシャ金融危機は、欧州連合(EU)の境界線の外側でも、あちこちに足跡を残している。アテネの国境職員は、トルコから押し寄せる不法移民に対し、全く太刀打ちできないでいる。
欧州委員会によると、昨年10月から12月までに確認した不法移民は3万人。そのうち75%は、トルコとギリシャの国境を越えて、やって来た。
7日、欧州連合(EU)内務理事会は、解決策を見つけるためにルクセンブルクで会合を開く。欧州連合(EU)はこれ以上、増加する違法移民によって、経済危機に拍車を掛けられたくないのが現状だ。ヴェルト誌オンライン版が7日、報じた。
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refeiaビザの円滑化を約束
そこで、欧州連合(EU)は、トルコに将来的に「ビザの円滑化」、いつの日か「ビザの自由化」を約束。その見返りとして、欧州連合(EU)は、トルコを通過してくる不法移民の侵入を阻止することを期待。
欧州連合理事会議長国のデンマークは、6月末までに同意を取り付けたい様子。しかし、過去何年間も欧州連合(EU)はトルコとの間で、ビザ自由化に関し交渉してきている。結果は、失敗である。
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hydro-xyトルコの思惑
2005年から欧州連合(EU)加盟候補であるトルコは、グルジアなどの他の国と比べて差別を感じているようだ。グルジアは、欧州連合(EU)と旅行の条件緩和に関し、公式な対話を開始した。
トルコは、欧州連合(EU)が欧州委員会の協定で委任を与えることを要求。それにより、正式なビザ自由化への対話が開始できると考えている。不法移民の侵入阻止協定は、トルコにとってブリュッセルと欧州連合加盟に向けた交渉にも使える切り札である。
欧州理事会において、キプロスはトルコの要求に反対の立場を取っている。また、フランスも、もうすぐ実施される議会選挙のため立場は不明である。
ヴェルト誌(Welt Online)
http://www.welt.de/politik/ausland/article106429859/