体内時計に気を配って
アメリカ・ノースウェスタン大学の概日リズムの専門家、Fred Turek氏らによる研究によって、女性の体内時計が狂うと生殖機能にも影響を及ぼす可能性があるということが判明しました。Daily Mailが5月23日に報じました。
生物は約1日(24~25時間)ごとの周期で繰り返される生物学的リズム(体内時計)を持っています。そのリズムは「概日リズム」と呼ばれています。一定の時刻に眠くなり、一定の時刻に目が覚めるという「睡眠・覚醒」のリズムが代表的ですが、その他に、体温やホルモンの変動なども含まれています。
実験の内容は?
研究チームは、つい最近交尾をしたばかりの雌のマウスを使った実験を行いました。「昼」と「夜」をグループごとに人工的に調整し、その後の妊娠成功率を調べたのです。実験期間は、マウスの典型的な妊娠期間である21日間でした。
1つ目のグループは、12匹のマウスで、毎日通常通り12時間の「昼」と12時間の「夜」を過ごしました。2つ目のグループは、18匹のマウスで、12時間の「昼」の始まりが5日ごとに6時間ずつ早められました。3つ目のグループは、18匹のマウスで、12時間の「昼」の始まりが5日ごとに6時間ずつ送らされました。
21日間の実験後、1つ目のグループの妊娠成功率は90%でした。しかし、3つ目のグループの妊娠成功率は50%、2つ目のグループにいたっては22%という低い数値が出たのです。これは、研究チームの予想をはるかに超えた低数値でした。
規則正しい生活を
研究に関わったKeith Summa氏は、この実験結果について次のように述べています。
体内時計が狂ってしまうと、そこにはネガティブな結果が待っている。それは間違いない。我々の実験結果は、人間も自分自身の健康のために、体内時計に気を配る必要があるということを示している。
すでにこれまでの研究で、看護師やフライトアテンダントなどシフト勤務で働く女性に、妊娠や生理における問題点が多く見られるということも判明済みとのこと。これからは、規則正しい生活を心がけるようにしたいですね。
Why women trying to have babies need to think about their body clock as well as their biological clock
http://www.dailymail.co.uk/health/article-2148939/Why-women-trying-babies-need-think-body-clock-biological-clock.html