米軍が韓国民間人を連れてくる
韓国に駐留する米軍は、朝鮮半島で有事が勃発した際、韓国の民間人8万人を日本に避難させる計画を立てている。17日に韓国でおこなわれた訓練で、初めて米軍の想定が明らかにされた。
駐韓米軍の家族と韓国政府高官
米軍が避難させるのは、韓国に住む米国人14万人と、韓国人8万人。韓国人の中には、駐韓米軍人の家族や韓国政府高官が含まれる。
韓国と対峙する北朝鮮は、ことあるごとに「ソウルを火の海にする」とのおどし文句を口にするが、ソウルは北朝鮮との国境線から50kmも離れていない。東京-成田間のよりも近く、北朝鮮が進攻を決断すれば、火の海になる危険性は高い。
8万人が押しかける可能性
金正日体制でも、しばしば軍事的な進攻を示唆するおどし文句があったため、最近では危機感が薄くなっているが、金正恩体制に移行して、有事の危険性は高まっている。
韓国の政府機関、統一研究院が新たに発表した人権白書によると、飢餓に苦しむ北朝鮮では、人肉食によって逮捕され、処刑される例が後を絶たないという。
2009年にはデノミの失敗で経済状態が悪化。韓国護衛艦撃沈や延辺島砲撃などにより、韓国からの支援が激減するなど、政治の舵取りが食糧事情を悪化させている。昨年韓国が北朝鮮におこなった支援は、過去最低の水準にとどまった。
90年代には飢饉により200万人が餓死したといわれるが、農村部でも餓死者が出る近年は、それに近い状況といわれる。
上記の政策はいずれも金正恩が推し進めたものだ。先のミサイル発射実験の失敗といい、トップの座にすわる弱冠29歳の金正恩には、失政の記憶がつきまとう。
手腕に自信のない代表が、今後派手な軍事行動に出る可能性は、じょじょに高まっている、といえる。
◆newsweek
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2012/05/post-2555.php◆KBS WORLD
http://world.kbs.co.kr/japanese/news/news_In_detail.htm?No=43777