節税のため米国籍を放棄
米ソーシャルネットワーキングサイト大手、Facebookは18日、ナスダック市場に上場を果たした。直前になって共同創始者の1人、Eduardo Saverin(30)が米国籍を放棄。上場によって生じる課税を逃れるため、と目されており、米議員たちは17日、18日に相次いで非難声明を発表した。
安全を求めてブラジルから移住
Eduardo Savarinはユダヤ系ブラジル人の息子として生まれた。父親が裕福な財界人であったため、身の代金誘拐を専門とする犯罪集団の「標的リスト」に名前が載った。このリスクを避けるために米国に移住。以来10年間にわたって米国籍を保有してきた。
米上院議員Charles Schumer(民主党)とBob Casey(民主党)は17日、「安全な生活という恩恵を受けながら、恩を返す段階になると米国籍を放棄する」と非難。18日には下院議長John Boehnerも同様の非難声明を発表した。
議員らは「課税逃れのため米国籍を放棄した人が再入国するのを禁じる法案」を提出する予定。もし可決されれば、Eduardo Saverinは二度と米国に入国できなくなる。
課税逃れではない、というが
こういった非難に対して、Eduardo Saverinは課税逃れではない、とコメント。米国籍放棄は、自身が「世界市民」である認識をあらためるために必要な行為、と説明している。同氏は現在、シンガポールに在住している。
節税額は数百万ドル
Facebookの上場によって、Eduardo Saverinはあらたに30億ドル以上の資産を得る。上場利益に対して、米国では30%の税金が課されるが、シンガポールではキャピタルゲインに対する課税がない。
また将来的には、米国籍を放棄することで、相続税などもかなり節税できるという。
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