日経新聞が自転車の弊害を報道
健康ブームとガソリン価格の高騰を受け、自転車がブームとなっている。通勤に利用する人も増えているが、よいことばかりではなく健康に悪い面もある、と7日の日経新聞が報じ、物議を醸している。
EDライダー急増
記事が指摘する排気ガスによる健康被害や、歩行と違って脚に衝撃がないため骨粗鬆症のリスクが上がる、という指摘は理解しやすい。
さらに同記事では、自転車に乗ることで性的不能に陥るリスクが高まるという。自転車のサドルに座ると、下腹部がサドルで圧迫される。これにより性的不能を生じるというのだ。
実は同様の指摘は、以前からしばしばみられる。2010年には「週刊現代」がこういった現象をとりあげ「EDライダー」と命名している。
同記事によると、片道30分以上をかけて自転車通勤する男性の1/4が勃起不全などの症状に悩むという。
構造医学からみる予防策
自転車による下腹部の障害リスクを骨盤への悪影響で説明する書籍もある。身体の構造について解説した「構造医学」(吉田勧持・著、エンタプライズ)では、体重によって骨盤の仙腸関節が押し広げられることでさまざまな障害が発生する、と自転車の危険性を指摘する。
また自転車で鍛えられるのが太ももだけであり、ふくらはぎの筋肉がほとんど鍛えられないことにも問題がある。
ふくらはぎの筋肉は下肢をめぐる血液を心臓に戻す働きを持つためだ。こういったことから、健康効果だけを考えれば、ウォーキングの方がよいという。
弊害を抑えて自転車に乗るためには
ただ多忙なビジネスマンにとって、自転車通勤がもたらす運動効果は大きい。WHOでは、健康リスクを高める最大の要因は喫煙だが、次いで運動不足の弊害が大きいと警告する。
自転車通勤を続けながらEDライダーにならないためには、サドルのあたりを調節するとよい。
座面の広いサドルもしくは恥骨の当たる中心部に空間を設けてあるサドルを選ぶ。ジェル入りのパッドを用いるなどの対策が有効だ。
また自転車に乗る以外に歩くことで、ふくらはぎの筋肉を作り、下肢の筋肉バランスをたもてる。
◆日経BP
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20120429/231521/?bv_ru