富士山直下に活断層
文部科学省が実施した調査で富士山(3776m)直下に活断層があり、山体崩壊を引き起こす可能性があることがわかった。9日、調査を主導した東京大学地震研究所の佐藤比呂志教授が地元の静岡県に報告を行った。
御殿場が土砂や泥流で埋まる
富士山は均整のとれた円錐形をしているが、過去に何度も崩壊しては噴火によって山の形を取り戻す、というサイクルをくり返してきた。
過去2~3万年の間では、少なくとも4回、この山体崩壊が発生したことがわかっている。
山体崩壊は地震や噴火にともなって起き、土砂が雪崩のように崩れ落ちたり、大規模な泥流が発生したりする。
もっとも近いところでは、約2900年前に東側斜面が崩壊しており、このときは御殿場付近を厚さ10mの土砂や泥流が埋め尽くした。
対策不能、保険が重要
今回の調査では、富士山直下を下端とする長さ30km、深さ数10kmの活断層が発見された。同断層は過去にも活動した形跡があり、マグニチュード7程度の地震を引き起こすものと想定される。
山体崩壊が噴火によって発生する場合には、ある程度予知が可能だが、地震による場合には突発的に発生することになる。
可能な対策は、住まいの火災保険に地震特約を付加することだろう。地震特約は噴火による被害もカバーしているため、原因にかかわらず山体崩壊による被害をカバーできる。
◆富士山の大規模噴火と山体崩壊
http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/koukai/04/3.pdf