エリテマトーデスに対して「ヒドロキシクロロキン」の臨床試験開始
サノフィ・アベンティス株式会社(東京都新宿区)は5月7日、ヒドロキシクロロキン硫酸塩について、全身性エリテマトーデスおよび皮膚エリテマトーデスの患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験を開始したと発表した。
全身性エリテマトーデスは、DNA-抗DNA抗体などの免疫複合体の組織沈着により起こる全身性炎症性病変を特徴とする自己免疫疾患である。若年女性の20代から40代によく発症が見られ、寛解と増悪を繰り返して慢性の経過を取ることが多いとされている。皮膚エリテマトーデスは、全身性エリテマトーデスに対して皮膚限局性のエリテマトーデスを指す。
欧米では広く認知されている未承認薬「ヒドロキシクロロキン」
ヒドロキシクロロキン硫酸塩は全身性エリテマトーデスや皮膚エリテマトーデスに対して標準的な治療薬として欧米では認知されている。現在は世界70カ国以上の国々で承認されている薬剤であるが、日本においては2010年に厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」にてその必要性が認められ、サノフィ・アベンティスが正式に開発要請を受けていた。
ヒドロキシクロロキン硫酸塩はこれまで諸外国での開発において全身性エリテマトーデスおよび皮膚エリテマトーデスに対する臨床試験が実施されておらず、今回同社が日本で開始した試験が世界初の開発臨床試験となる。

サノフィ・アベンティス「ニュースリリース」
http://www.sanofi-aventis.co.jp/l/jp/ja/index.jsp