大学生のファンサークルも
交際のあった男性3人を殺害したとして13日に死刑判決を受けた木嶋佳苗(37)に男子大学生のファンサークルがあることを27日の日刊サイゾーが報じた。
母性愛の象徴
木嶋ファンを名乗る大学生たちは「木嶋佳苗の母性愛を」などと書かれたボードを手に、3月下旬、裁判の傍聴に訪れた。
グループは木嶋佳苗の姿に強い「母性愛」を見いだし、その魅力に惹かれた大学生たち。「苗」という同ファンサークルの会員は8人にのぼり、複数の大学にまたがる。
グループの1人は、被害者の1人に対して木嶋被告が朝はパンケーキ、昼はパスタ、夜にはポトフといった料理でもてなしたことを高く評価。日刊サイゾーのインタビューに対して、下記のように答えている。
「罪を憎んで人を憎まず、犯罪を否定しても彼女の人間性まで全否定する必要はないと思います。むしろ、女性たちは木嶋さんに見習うべきところがあります」
「まるで母親みたいな行動です。字も達筆で話し方も柔らかい。みんながスリムに走る中で、あのぽっちゃり体型も母性を強調します。この事件は、あまりに魅力的な女性がいて、それに狂ってしまった男性がいたから起こったことではないでしょうか。一方的に被告を悪人と決め付けるだけでは、真実は見えてこないと思うんです」(「日刊サイゾー」インタビューより抜粋)
今後は裁判を通じて研究した成果を発表し、日本女性の母性愛向上に役立てたいそうだ。
恋愛のカリスマ
同被告の裁判には、もともと同世代の女性ファンが多いことは当初から報道されてきた。
体重は三桁にのぼるものとみられ、容姿的にはコンプレックスを抱いてもおかしくない存在でありながら、男を手玉にとり、セックスを武器とした生き様に「憧れ」を抱く人たちだ。
「男に媚びないところに惹かれる」という意見もみられ、恋愛テクニックについて教えて欲しいと語る女性もみられるほど。
木嶋佳苗裁判の傍聴に訪れるこういった女性たちは、マスコミによって「木嶋ガールズ」と名付けられた。
象の足と鼻
こういった「ファン」に共通するのは、木嶋佳苗という人物の一面のみをとらえて全体像を想像で補っている点だ。
象を触った盲人2人に象とはどのようなものか訊ねる、というジョークがある。脚だけを触った盲人は「象とは柱のようなもの」と答え、鼻だけを触った盲人は「象とはヘビのようなもの」と答える、というもの。
今回報道されている木村佳苗ファンのコメントからは、このジョークに共通するものが感じられる。
「苗」ファンが考えるとおり、木嶋佳苗には「母性愛」の発露とも見える行動が多い。ただ少なくとも裁判であきらかにされたこれらの行動は金銭的な利益を誘導するためのものに過ぎない。
お金さえ払えば、同様の「母性愛」はもっと安全かつ安価で購入可能できる。
女性ファンが魅力と感じる「恋愛力」も同様だ。木嶋佳苗はそもそも恋愛をする気がない。
そのため自我を完全に抑えて、男性が気に入る女性を演じ、好感を得ることができるのだ。
演技の代償としてお金を得るのは「仕事」であって「恋愛」ではない。
この割り切りを明確にしてしまえば、木嶋佳苗程度の成果をあげるのは、さして難しいことではない。
ちまたで知られているとおり、水商売などには、こういった「成果」を自らの生活の糧とする女性が多い。
この手法の問題点は、「恋愛」相手が出資を理由にそれ以上の関係を求め始めたときや、相手にそれ以上資力がなくなったときの「対処」である。
修羅場を回避してうまく関係を清算するためには、高度のテクニックを要する。
木嶋佳苗はこのテクニックを持たず、「殺人」という単純で粗雑な清算方法を選んだことで死刑判決を受けることとなった。
この巨象の「胴」をファンたちは見逃しているようだ。
◆日刊サイゾー
http://www.cyzo.com/2012/04/post_10465.html