被害者に賠償なしの可能性も
京都府亀岡市で18歳の少年が軽自動車を運転中、小学生の列に突っ込み、死者2人、重体を含むけが人8人の被害を出した事件で、被害者に賠償がなされない可能性が出てきた。
運転者は無保険
事故を起こした少年は免許を持っておらず、当然、任意保険には加入していない。
問題の車を貸したのは、同乗していた大学生(18)の友人。大学生らは再三、車を貸すようこの友人に迫っていたという。
車が自賠責保険に入っていれば、その分は支払われるものと思われるが、死亡事故の場合でも自賠責保険の上限は3,000万円である。
その他、傷害の治療費120万円、後遺障害に対する賠償金4,000万円となっている。
今回の事故では、2人が死亡、8人が重軽傷を負っており、とうてい足りない。
危険運転致死傷罪の適用は?
4月24日に送検された少年の罪名は「自動車運転過失致死傷」と「道交法違反(無免許)」だった。
それぞれ、最大でも懲役7年と1年に過ぎない。最大で懲役20年になる「危険運転致死罪」での送検は見送られた。
危険運転致死罪が成立する条件は主に4つある。「飲酒や薬物による酩酊状態での運転」「割り込み、幅寄せなどの妨害」「信号無視」そして「スピードの出しすぎ・無免許など制御技能の欠缺(けんけつ)」である。
このうち「無免許」については、単に免許がないだけでは足りず、運転技能を持たないことが条件となる。
加害少年はたびたび車を運転していることから、この条件にあてはまらない、と考えられており、危険運転致死傷罪の適用が見送られる公算が高い。
遺族にとっては、賠償をほとんど受けられないだけでなく、無分別な楽しみの結果10人を殺傷した加害少年が、最大でも8年ほどで社会に出てくることになる。
◆危険運転致死傷罪 wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%B1%E9%99%BA%E9%81%8B%E8%BB%A2%E8%87%B4%E6%AD%BB%E5%82%B7%E7%BD%AA