14日午後に地元自治体首長と会談
政府は「安全性が確認された」とする大飯原発3号機、4号機の再稼働について理解を求めるため、14日、枝野経産相を福井県に派遣した。
西川一誠知事のほか大飯原発が立地する同県おおい町の時岡しのぶ町長などとも会談する。
怪しい試算 電力不足は本当か?
安全性の確保が不十分とされる中、政府が大飯原発再稼働を目指すのは、関西電力管内で今夏、電力不足が予想されるためだという。
関西電力からの報告をもとに資源エネルギー庁が提示した数値によると、2010年並みの猛暑だった場合には18.4%(570万kW)不足するという。
ところがこの試算には、各方面から異論が相次いでいる。
再稼働なしでも電力はまかなえる
自由民主党の河野太郎議員はブログの中で、独自の資産を公開している。
それによると、関西電力の2011年夏の電力供給実績は、合計2,947万kWで、そのうち原子力発電によるものは、337万kWと1割強にとどまっている。
今回、大飯原発3、4号機を稼働しても、供給量は236万kWにすぎず、不足分の半分もまかなえない。
河野議員はむしろ、自家発電などの買い取りに注目。ISEP(環境エネルギー政策研究所)の試算では、関電管内で自家発電容量は700万kW以上あるという。
これは1,000kW以上の施設のみを対象とした数字で、電気の買い取り価格を上げ、1,000kW以下の施設も対象とした場合には、2,000万kWの電力が掘り起こし可能となる。
昨夏供給量の実に2/3以上をまかなうことが可能なのだ。
また、揚水発電での調整が430万kW、中国、四国、中部電力などの余力が800万kW以上あり、ピーク時の電力をカバーする余地は大きい。
真夏に水力発電施設の点検?
さらに「意図的に電力不足を誘発している」とも思えるのが、水力、火力発電施設の点検や工事を真夏に予定していることだ。
黒部川第2水力発電所の1~3号機、新黒部川第2水力発電所の1~2号機の定期検査や工事を真夏に予定。一部の火力発電所も、やはり真夏に定期検査に入る予定だ。
これらを少し前倒し、あるいは先送りするだけで、ピーク時の余力は大きく変わる。
原発に関してはもはや定番となってきた情報操作だが、こういったことを行えば行うほど、信頼を失っていくことが、政府民主党にはわからないようだ。
◆黒部川第2水力発電所
http://www.suiryoku.com/gallery/toyama/kuro2/kuro2.html◆河野太郎 ブログ
http://www.taro.org/2012/04/post-1188.php