ムタリカ大統領の急死
アフリカ南東部に位置するマラウイのムタリカ大統領(78)が、心臓発作のため急死した。7日、マラウイ政府が公式に発表した。憲法の規定によると、副大統領が後継者に就くことになっている。
報道機関ロイターが、7日、副大統領のジョイス・バンダ氏(61)が公職を引き継いだことを報じた。首都リロングウェにて、閣僚と検事総長、軍と警察のトップを交え、国家元首を宣言。ここに初めてマラウイに女性の大統領が誕生したのである。
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World Economic Forum米国の支援のもとに
しかし、バンダ氏の大統領就任が、政治的緊張につながる可能性がある。ムタリカ前大統領は、2010年にバンダ新大統領を与党・民主進歩党(DPP)から除名していた。
メディアの報道によると、前大統領は、後継に現外務相である弟のピーターを就任させる準備をしていたようだ。前大統領の内部勢力は、国営放送に、
「バンダ副大統領は大統領に適していない」
と宣言した。
政府の上級代表と治安部隊は、今のところ紛争は解決されたことを暗示した。その背後には最も重要な支援国としての米国が、バンダ氏の大統領就任を要求したようだ。
〈駐日マラウイ共和国大使館公式ホームページより〉
世界で最も貧しい国マラウイ
2004年の選挙で、ムタリカ前大統領は国家元首となった。2009年に、大多数の支持を得て再選。経済学者である前大統領は、国際復興開発銀行(世界銀行)を含むさまざまな国際機関で働いていた。
マラウイに住む1300万人のうちの大半は、ムタリカ前大統領のために涙を流さないはずである。国民の目には、彼は独裁者で今の経済危機に個人的な責任があると映っている。
マラウイはタンザニアとモザンビーク、ザンビアと国境を接し、世界で最も貧しい国のうちの一つである。
シュピーゲル誌(Spiegel Online)
http://www.spiegel.de/politik/ausland/0,1518,826269,00.html駐日マラウイ共和国大使館公式ホームページ
http://www.malawiembassy.org/jp/