期限まで50日なのに未対応率95%
欧州では5月25日までに、インターネット上でクッキーを使用する企業は、消費者に対して情報取得の範囲を知らせ、同意を得るシステムを実現する必要がある。
期限まで50日を切った現在も、英国企業の95%は未対応であり、大きな混乱が予想されている。
クッキーで個人情報ダダ漏れ
現在多くの企業が、サイトを訪問したユーザーのパソコンに無断でクッキーを導入し、これを追跡することで、個人の嗜好などさまざまな情報を取得している。
プライバシーの確保が憂慮されることから、EUではユーザーに対し、「どのような情報を集め、どのように利用しているか」を知らせ、同意を得るよう義務づける法律を施行。
5月25日に施行される同法に違反した場合には、最高50万ユーロ(約5280万円)の罰金が科される。
法を守れば、ユーザーが離れる
施行間近にもかかわらず、同法に準拠したサイトを構築している企業が少ないのは、ユーザー離れを懸念するため、とみられている。
現在多くのユーザーは、個人情報がどの程度抜かれ、どう利用されているのか、具体的に走らない。
実際にそれを知らされれば、個人情報を抜くような企業のサイト自体を敬遠する可能性もある。
また、同法を遵守するためには、サイトを訪れるたびに、ポップアップウインドウなどでクッキーについて告知し、ユーザーに同意を求める必要がある。
現在でも、サインインなどのページは、閲覧に手間がかかるため、顧客が離れる原因として知られている。
ポップアップだらけになれば、ユーザーはより楽に閲覧できる米国系のサイトに移動するだろう、と専門家も分析する。
5月25日以降、欧州のネット界が大きな試練にさらされることは確実だ。
◆TechWeek europe
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