ポルトガルは、追加支援否定
米の債券運用会社
PIMCO(パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー)のモハメド・エラリアンCEO(最高経営責任者)は、年内に
ポルトガルへの追加金融支援が必要になるとの見通しを語ったという。ドイツの週刊誌「シュピーゲル」でのインタビュー(18日)の内容を、REUTERS (ロイター)が伝えた(19日)。
記事によれば、エラリアン氏はポルトガルへの第1弾の支援は不十分と見ており、ポルトガルが追加の支援を求める可能性があるという。
ポルトガルはすでにEU(欧州連合)とIMF(国際通貨基金)から3年間で780億ユーロ(約8.9兆円)の緊急融資を受けている(ユーロ加盟国に対する金融支援は、ギリシャ・アイルランドに続く3か国目)。また、これに対する条件として、緊縮財政案の実施が義務づけられている。朝日新聞(20日)によれば、ポルトガルの昨年の経済成長率は1.6%のマイナス成長で、今年の国内総生産(GDP)は、前年比3.3%の縮小が見込まれているという。
これに対し、ポルトガルのガスパル財務相は、同国の改革は順調であり、
これ以上の金融支援を求めるつもりはない
と語ったという(同朝日新聞記事)
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地方は交付金減少で“破産”状態
一方、Bloombergはポルトガル地方自治体のデフォルト(債務不履行)の可能性を報じている(23日)。記事によれば、地方政府の負債総額は約90億ユーロ(約9800億円)。地方自治体団体の代表は、
「企業ではこれを破産と呼ぶ」
と語っており、中央政府の早急な金融支援を求めている。
地方自治体の財政難の原因のひとつは中央政府から地方自治体への交付金の急激な減少。記事は、
(2012年の)地方自治体への交付金は前年比4.7%減少の22億8000万ユーロになる予定
と伝えている。
REUTERS ロイター:ポルトガル、2012年末までに追加金融支援が必要に=PIMCO最高経営責任者
http://jp.reuters.com/article/domesticFunds/idJPTK809989620120319朝日新聞:ポルトガル、追加の金融支援求めず=財務相
http://www.asahi.com/business/news/reuters/RTR201203200030.htmlBloomberg.co.jp:ポルトガル地方自治体、デフォルトの可能性-国の支援ないと
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-M1CFP06K50ZY01.html