子どもたちの置かれたつらい環境
17日、
FoE Japan(国際環境NGO)はこうツイートした。
本日、福島の小中学生が政府に思いを届けようと、衆議院第一議員会館に集まりました。
これは「
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」が主催、
FoE Japanなどが協力して実現した、被爆した福島の
小中学生4名と政府との直接交渉。
政府側の出席者は、
原子力災害対策本部被災者支援チーム、
文科省、
経産省原子力安全保安院から計
10名。
菅直人首相、
高木義明文科相にも出席を要請していたが、
欠席だったという。傍聴は
500人におよんだ。
この直接交渉において、子どもたちは以下のような手紙を読み上げ、原発事故に対する国の対応を糾弾した。
・私たちは原発事故以来、外遊びをしていません。
・友達と離ればなれになって、みんなバラバラになって、どうしてこんな思いをしなくてはいけないのか。
・もともとの基準を何十倍にも引き上げて、安心といわれても中学生にも信じられない。大人は責任をとってください。
・こんなことになるなら原発がないほうがよかった。
醜いお役人の責任のなすり付け合い
これを取材したジャーナリスト
田中龍作氏が、この子どもたちの切なる問いかけに対する出席官僚らの返答・対応のブザマさを報告している。それによれば、返答は、
・除染して早く帰れるよう努めてまいりたい(内閣府)
・安全の確保に努めている所です(原子力安全保安院)
・関係各省庁と連携を取ってやってゆきたいと思います(文科省)
など、国会の質疑応答のような、うわべだけの通り一遍のものに終止、傍聴席からは
失笑も漏れる始末だったという。
あまりの「的はずれ」な回答に業を煮やした司会者が、「(友だち同士をバラバラにしない)
集団疎開をどうして実現して頂けるのか、子どもたちは質問しているのです」とただすと、政府側お役人は、
マイクを回し合って、答えるのを避けようとした
というのだ。そのような姿を目の当たりにした子どもたちはどのような気持ちであっただろうか。
「東京の人も考えて」
この交渉の様子は
Ustreamを通じてライブ中継された。そのライブ中継を見ているであろう25,000人の視聴者へのメッセージを求められた子どもたちは、こう答えたという。
福島は東京の電気を作っていた。東京の人たち(略)にも今どういう状況で、私たち福島の人たちがどんな目に遭っているのかをしっかりと考えてほしい。
また、同じ17日、
北海道電力は
泊原発の営業運転を再開した。
FoE Japan
子どもたちの政府交渉「大人は私たちの声きいて」田中龍作ジャーナル
福島の子供が疎開求め政府と交渉―マイク押し付け合い回答避ける官僚たちのお粗末