2011年は「いなづま」、「さざなみ」を派遣
2009年7月から、自衛隊の護衛艦が中東アデン湾で海賊船の襲撃に対する護衛活動を行っている。
国土交通省は8日、海賊対処法に基づく同活動について、資料を発表した。2009年7月から2011年7月末までの護衛実績をとりまとめたもの。
事前に申請があれば、海外の船舶も護衛するため、護衛対象は47カ国、1943隻にのぼっている。護衛対象の半数以上がタンカー。これまで「さざなみ」などのべ18隻の護衛艦が派遣された。
逮捕された海賊は日本で裁判員裁判に
今年3月5日、商船三井が運航するタンカー「グアナバラ」号がオマーン沖で海賊の襲撃を受けた。
4人の海賊たちは通報を受けて駆けつけたアメリカ海軍によって拘束され、日本の海上保安庁に身柄を引き渡された。
東京地検はうち3人を運航支配未遂の容疑で起訴。1人は未成年者と判断して家裁送りとした。
運航支配未遂は重罪で、無期懲役もしくは5年以上の懲役と定められている。このため裁判員裁判にかけられる予定だが、現在は通訳の確保もできず、審理が進んでいない。
難しい保険でのカバー
海賊行為の被害について、保険でまかなわれる場合がある。ただ、船主が加入している保険によっては、使用された武器によって保険が適用されないケースもある。
海賊を一般的な「海上の危険」と見なすか、「戦争に類似するもの」と見なすかによって異なるという。
また、海賊行為が多くなればなるほど、保険の掛け金は高騰する。この高騰が保険会社に大きな利益をもたらしている、という指摘もある。
◆海賊対処法に基づく護衛対象船舶について
http://www.mlit.go.jp/common/000162539.pdf