中国の精神障がい者が急増 自殺多発などの社会問題も
中国国営新華社通信は、中国の精神障がい者は2009年時点で1億人以上に上り、このうち入院などが必要な重度の患者は1,600万人を超えていることを伝えた。
中国ではここ数年、芸能人や大学生による自殺の多発、大手企業従業員による連続自殺などが大きな社会問題として注目されている。
急速な経済成長を遂げる反面、若者のプレッシャー増大
2002年に行った国内初の自殺に関する調査によると、中国での年間自殺者は28万7,000人に上り、国際平均を上回る結果となっている。うち、
15歳から34歳の死亡原因のうち自殺はトップという、現代の若者の精神状態の不安定さを物語るという結果となった。
また、中国科学院心理研究所が北京市内の1,800の家庭を対象に調査を行った結果、7割近くの家庭で不適切な教育から、
子どもたちがさまざまな精神的障がいを抱えているという結果がわかり、その数は年々増加しているという。
若者の代表、現役大学生の精神障がいの発病率は、全疾病の中で1998年には約27%。北京大学ではこの10年で精神障がいを理由に休学、退学した学生は、全退学者の約3割を占めているという。
成長の陰にある「格差」 利益追求が生んだ結果か
中国ではここ数年で急速な経済発展で豊かさを獲得してきた。しかし、その影で、競争社会や格差社会も苦しみ、心を病む人々が増え続けているということも事実である。
中国国営新華社通信中国科学院心理研究所