埼玉県が「障害者雇用支援戦略プロジェクト」を開始
埼玉労働局(以下同局)は、県内企業の障がい者雇用を促進しようと県内の関係機関と連携を取り、今月から「障がい者雇用支援戦略プロジェクト」を立ち上げ、28日には第一回の会合が開催された。
同局に窓口をおき、担当者を設置して特例子会社や障害者多数雇用事業所設立のための支援を行うほか、各機関と連携して障がい者を雇用したい企業を集め、障がい者向けの就職説明会や企業向けには雇用拡大のための研修会などを開く予定である。
「障がい者雇用率は全国で42位」の汚名返上に向けて
同局によると、昨年(2010年)6月の報告で、埼玉県の民間企業の障がい者雇用率は1.59%と、全国平均の雇用率を下回り、全国順位で42位。障害者雇用促進法の法定雇用率1.8%をクリアできていない。今後は関係機関と協力して就職件数及び就労後の定着支援をおこなっていくという。
ハローワークを通じて就職する障がい者の年間就職件数を、2010年度の2,060人から、2015年度には1.5倍の3,090人に増やすことを目標にしている。また、定着支援にも力を入れ、5年後には、障がい者の勤続年数を今年度比で2年以上延ばすことの目標も決めた。
公的機関への雇用率達成支援も強化していく方針
注目したいのは、全国的にも雇用率の低い、教育委員会(法定雇用率は2%)などへの支援にも力を入れるということである。現在、不足障がい者数104人の埼玉県教育委員会をはじめ、法定雇用率を達成していない公共機関には、雇用率向上に向けた助言をするなど、支援の強化を図っていく。
今回の埼玉県の動きは、他県の公的機関にも埼玉県の今回の取り組みにぜひ注目してもらいたい。法律で定めたことを行政機関が守れないという事実があるのはいかがなものであろうか。
埼玉労働局埼玉労働局障害者雇用支援戦略プロジェクト 概要(PDF)