本当にあった「台風の実」?
海賊が台風被害を増加させる。こんな記事がこのほどネイチャーニューズに掲載された。某人気漫画のように「超人的能力を持つ海賊が出現したの?」わけではない。
ソマリア中央政府の無力化が進む中、ソマリア沖に出没する海賊が世界的な問題となって久しい。商船への襲撃は日常茶飯事だが、海賊の標的はそれだけにとどまらない。海洋研究のために同海域を航行する調査船も襲われるため、気候調査に必要なデータが集められない状態が続いている。
気象予想に必要なデータに空白が生じるため、地球規模で予想データの誤差が大きくなる。長期的に見ると、台風など災害の予知も不正確になることが考えられる。
気象予報に護衛が必要
ソマリア沖の気象データは、直接的にはインドの季節風や降雨パターンとのつながりが大きい。
衛星からもデータはとれるが、より正確なデータを作るには、地上でとれたデータと比較する必要がある。
2010年には海賊の出没する海域にデータ観測用のブイを設置するため、米、豪艦隊に護衛を依頼した科学者グループもいるという。
◆nature news
http://www.nature.com/news/2011/110707/full/news.2011.402.html