過労死認めた2審判決が確定
心臓に機能障がいを抱えた夫が死亡したのは、過重労働が原因として、妻が、遺族補償年金を不支給とした国の処分取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(宮川光治裁判長)は21日、国側の上告を退ける決定をした。障がいを考慮し、労災認定した2審の名古屋高裁判決が確定した。
入社からわずか1ヶ月半後に死亡 過重業務によるストレスが認められる
訴えていたのは、小池勝則さん(当時37歳)の妻、友子さん。小池さんは2000年11月に豊川市内の家電販売店に身体障がい者枠で採用され、店舗で販売担当をしていた。しかしわずか1か月後の同年12月25日、致死性不整脈のため死亡した。
このため友子さんは2001年11月、豊橋労働基準監督署に労災認定を申請したが認められず、2005年に訴訟を起こした。
1審名古屋地裁は2008年に平均的労働者の労災基準を基に請求を棄却。しかし2審名古屋高裁は、障がい者であることを前提に仕事をしていた場合、業務が過重かどうかは健常者などの平均的労働者の基準でなく、障がいの状況を考慮すべきだと指摘。過重業務による疲労、ストレスのため死亡したと労災を認定した。
採用時の健康診断を受けていなかったという事実も
小池さんは入社した家電量販店において、医者からは禁じられている時間外労働が1か月で40時間以上もあった。また、労働安全衛生法で、新規採用時に社員の健康診断が義務づけられているが、小池さんは健康診断も受けていなかったという。
厚生労働省 愛知労働局*今回の事例が「過去の事例」項目に掲載
過労死|フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」心臓障がい者の過労死労災認定を求める請願書