博報堂生活総合研究所では、東日本大震災前後の生活者の「感情、行動、価値観」の変化を明らかにするための調査を実施し、その結果を公表した。
調査時期は、2010年5月21日から24日と、2011年5月9日から11日の2回行われ、調査手法は、インターネット調査で、対象は、全国の20歳から59歳までの男女で、有効回答数は、6,000サンプルとなった。
調査結果によると、人々の感情(快「やったー、るんるん、はればれ、わくわく、ほのぼの、すっきり、ほっ、しみじみ、じーん、うきうき」、不快「やばい、あたふた、がくっ、ひやひや、もやもや、がーん、くよくよ、むかっ、うんざり、いらいら」)を東日本大震災前後(2010年と2011年)で比較した場合、快感情では、1位「じーん(+15.3%)」、2位「しみじみ(+8.6%)」、3位「ほのぼの(+3.3%)」、不快感情では、1位「ひやひや(+5.2%)」、2位「やばい(+3.2%)」、3位「がーん(+3.1%)」となった。
また、今後の日常生活において、どのような価値観を反映するかの問いに対する回答を、を東日本大震災前後(2010年と2011年)で比較した場合、「そこそこの満足を良しとする生活(+6.6%)」、「人に役立つ行動をする生活(+5.3%)」、「物事の本質や原点に目を向ける生活(+4.8%)」、「物事のリアリティや実体験を重視する生活(+3.7%)」などが、上位として挙げられた。
東北という地方の性格かもしれないが、被災者の方々の、我欲に走らず、辛抱強い行動は、日本にとどまらない支援の拡がりをみせている。
一方、全体の復興を推進しなければならない側の対応は、深刻度を増すばかりのようだ。地震による大津波の発生が想定外なら、復旧にかかるスピードの絶望的な遅さも想定外ということか。「うんざり」と「いらいら」と。不快は増すばかり。
博報堂生活総合研究所リリース