あのキーッと言う音はどこが不快?
黒板を爪でひっかくと、ひどく不快な音が出る。ところがなぜこの音を不快に感じるのか、原因は不明とされてきた。
ドイツの音楽学者マイケル・オーラー氏とウィー大学の研究者、クリストフ・ロイター氏は、その原因について研究。その結果、不快に感じる要素が課長行きの中間域にあることを突き止めた。
耐えがたいのは2000Hz~4000Hz
研究の中で、黒板を爪でこする音の中から2000Hz~4000Hzの音域を削除したものを被験者に聞かせたところ、不快感は激減したという。
人間の可聴域は一般的に20Hzから20000Hz程度とされている。2000Hz~4000Hzはこの中間的な領域。人の声もここに含まれる。
黒板を爪でこする音の中から、さまざまな要素を削除して被験者に聴かせる実験では、ほかの領域を削除しても、不快感はほとんど変わらなかったという。
人間の耳道がこの周波数域を増幅する形状になっているためではないか、と研究者は推測している。
音源を知ると精神的には不快
さらに、音源について「現代音楽である」という嘘の情報を伝えられた被験者と、黒板を爪でこする音であることを知らされた被験者の反応も比較された。
主観的な不快感については、「現代音楽」と伝えられた人の方が少なかったが、皮膚に取り付けられた電極などから送られる情報では、感じている不快度に違いは見られなかったという。

◆スラッシュドット
http://science.slashdot.org/story/11/10/31/1951258/why-fingernails-on-a-chalkboard-sound-painful