■房総半島沖で「スロー地震」再来
2011年10月31日、独立行政法人 防災科学技術研究所が、「
房総半島沖で『スロー地震』再来」とするレポートを発表した。
同研究所によると
千葉県勝浦沖、深さ20㎞の海底プレートにおいて、陸側、海側のプレートがゆっくりと
南東方向に6センチズレ動いていることが判明した。
今回の「スロー地震」の発生頻度が6年間隔から4年間隔と短くなったことは、
東日本大震災によって海底のプレートが影響を受けた可能性を指摘している。
■ 巨大地震の準備過程を知る「鍵」となる
同研究所ではこのようなプレートの歪みによる首都圏巨大地震発生の「
鍵」として、房総沖のプレートのズレである「
スロー地震」に注目すべきであるとしている。
関東地方の地盤は「
フィリピン海プレート」が日本列島の下に年間3cmの速度で沈み込んでいる。
この沈み込みによるプレートの歪みが限界に達した時点で、首都圏に巨大地震が発生することになる。
・1923年9月1日に発生した関東地震(M7.9)
・1703年12月31日に発生した元禄関東地震が(M8.1)(図2)この大地震もこのプレートの歪みのエネルギーが起こしたものである。
房総沖スロー地震はプレート境界に沿って固着域のやや深い側で発生し,固着域と、その深部で歪の蓄積を伴わずに定常的にずれが進行している領域との間の、遷移的なすべり現象と考えられています.このことから、その発生が固着域に歪をさらに蓄積すると予想されるため、巨大地震の準備過程を知る上で鍵となる現象として注目されています。なお、相模トラフでは 1923 年 9 月 1 日にマグニチュード 7.9 の大正関東地震が発生し,首都圏を含む関東地方に甚大な被害をもたらしました(図 2).また,ほぼ同じ場所で 1703 年には元禄関東地震が発生したことが知られています.(参考:同レポート)
同研究所では、観測データを気象庁に提供するなど、関係機関と協力し、今後のプレートの推移を注意深く観察してくとしている。
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房総半島沖で「スロー地震」再来-独立行政法人 防災科学技術研究所