1人別枠方式を廃止
2011年10月6日、与野党は幹事長会談を開き、衆議院議員選挙の際の1票の格差を解消するために、次期臨時国会で改革案をまとめることで合意した。
衆議院議員選挙における1票の格差を是正するために、47都道府県に1議席ずつ割り振る「1人別枠方式」を廃止して新たに定数配分方式を決めることや、議員定数を削減することの是非などが焦点となる見通しである。
今回の改正では、現在行われている小選挙区比例代表並立制を手直しする程度にとどまる見通しで、来年の通常国会で法改正を行う予定となっている。
しかし、具体的な方策をめぐっては各党の思惑が見え隠れしているため、協議は難航することが予想されている。1票の格差の是正は最高裁からも求められていることであるので早急に対処すべき案件の1つではあるが、東日本大震災や大型台風の被災者救済も早急に行っていただきたい。
1票の格差とは?
1票の格差とは、立候補した複数の議員の得票数が同じでも、立候補した選挙区によって当選したり落選したりしているため、有権者1人(1票)の間で格差が出ているというものである。
これは議員定数1人当たりの有権者数が選挙区によって異なるために生じている問題である。この格差は、憲法14条の「法の下の平等」に反するとして以前から問題視されており、何度も訴訟になっている。
2011年3月、最高裁は、この1票の格差の是正をめぐり、2009年に行われた衆議院選挙は格差が最大2.3倍となっており、これは「違憲状態」であると判断した。そしてその際、最高裁は「1人別枠方式」の廃止を求めた。
今回、与野党はこの最高裁の判決を受けて、ようやく重い腰を上げたように思われるが、衆議院のみならず参議院も1票の格差が生じているため、こちらも早く対処してもらいたいものだ。
衆議院
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index.htm