オーラルセックスで発がん率32倍!
米誌ジャーナル・オブ・クリニカル・オンコロジー(JCO)にこのほど、オーラルセックスが原因で咽喉がんにかかる男性が多い、との研究報告が掲載された。
女性にとっては子宮頸がんの原因になるヒト・パピローマウイルス(HPV)によるもの。感染者の発がんリスクは非感染者の32倍上り、喫煙よりはるかに高いという。
2004年までの20年間で急増しており、口腔がんに占めるHPV感染の割合は、16%から72%に跳ね上がっている。
肺がんのリスクも高まる
同様の研究は国際がん研究機関(IARC)によっても報告されている。こちらはオーラルセックスがもたらす肺がんについての研究だ。
感染者の肺がん発症リスクは、非感染者の30%増しだという。
ワクチンで予防できる?
HPVによる子宮頸がん発症のリスクについては、よく知られており、近年では日本でも予防のためにワクチン注射が受けられる。
ただ、この効果は女性にのみ検証されているため、男性がワクチン接種を受けることはほぼ不可能だ。
今回、研究結果を発表したオハイオ州立大学のモーラ・ジリソン教授は、ワクチンメーカーである製薬会社メルクに、咽喉がん予防について効果を検証する研究が求められる、と語った。
メルク社側はこれについて、研究を進める考えがない、と回答した。メルク社は2008年、男性の性器についてはHPVウイルスによる発症を90%予防できる、という研究結果を発表している。
◆ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディスン
ヒトパピローマウイルスと口腔咽頭癌の症例対照研究http://www.nankodo.co.jp/yosyo/xforeign/nejm/xf2hm.htm