検視官、焼死体を「自然発火」と認定
アイルランドで焼死した男性について、検視官が死因を「人体発火」と認定したことをBBCが報じた。
死亡したのはマイケル・ファハティ氏(76)。自宅の居間で焼死しているところを発見された。
さまざまな状況を調査した結果、25年のキャリアを持つ検視官、マクローリン博士は「人体発火という結論しか残っていない」と断定した。
世界中で見られる人体発火現象
人体発火は外部からの着火などがないのに、人の身体が燃える現象。
今回の被害者であるファハティ氏は暖炉の近くで仰向けに倒れた状態で焼死していたという。暖炉は出火原因ではない、と見られており、燃料などの燃焼促進剤も検出されなかった。
また炎による被害は遺体とその真下の床、真上の天井に限られていた。
同様の現象は世界中で報告されている。アメリカ、イギリスなどのアングロサクソン系で多いと言われるが、2008年には中国での事例が報告された。室内で性交中だった男性の局部がいきなり発火したというもの。
人体発火に保険は適用されるか?
一般的に火災保険の免責条項には、こういったオカルト的な現象は含まれていない。
原因によって免責になるのは、大まかに言うと、「地震・噴火・津波などの災害」、「戦争・内乱・暴動など」、「核燃料物質事故」となっている。
また被害者に重い過失がある場合には免責となる。
研究者によると、人体発火の原因として物理的に考えられるのは、「アルコール」、「りん」、「プラズマ」などだという。
いずれが原因だったとしても、気をつけて防げるものとは考えにくく、保険金は支払われるという考え方が強い。
ただ、人体発火のほとんどが暖炉のそばで発生している、という情報がある。
今回のケースについても、元病理学者が「火元は必ずある。損傷が激しくて見つけられないだけ」と語るなど、合理的な説明がつく、とする意見もある。
原因によっては、保険の支払いは流動的になるだろう。
◆BBC NEWS
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-15032614