5兆円はどこから持ってくる?
21日、民主党では政策調査会主催の総会が開かれた。東日本大震災の復興財源について、増税に反対する意見が相次いだ。
総会の前に開かれた懇談会では、増税幅を縮小するための税外収入について、話し合われたが、意見が百出するだけにとどまった。
日本郵政株の売却、特別会計の解体、国有地の売却など、案は出るものの、政府税調が5兆円とした税外収入の財源について、具体的な議論はなかった。
単なるガス抜きという見方も
今回の懇談会は党所属の全議員が対象。民主党議員は400人超いるが、出席者は一年生議員を中心とした約50人。
前原政調会長も顔を出しておらず、党内からは「全議員の意見は聞いた、という体裁を整える単なるガス抜き」という見方も上がっている。
5兆円分も結局は増税?
増税については、専門家の間にも反対意見が根強い。同じく財政赤字を埋めるために増税を敢行したギリシャでは、景気の冷え込みによってかえって税収が減少する、という事態が生じた。
「増税=税収増」とはならない、という意見が多い中、税外収入についても、5兆円という数字が先に一人歩きし、その財源は未定のままだ。
結局、「5兆円分も増税でまかなう」という結論に落ち着くのが、これまでの民主党政権だが、議論の経緯を見ると、今回もその気配が濃厚だ。
◆民主党 政策調査会
http://www.dpj.or.jp/about/dpj/board_policy#01