前回調査より増加傾向に
厚生労働省は1日、
平成22年「労働安全衛生基本調査」の結果を公表、メンタルヘルス上の理由から
連続1か月以上の休職者がいる事業所は5.9%で、平成17年に行われた
前回調査の3.3%から増加していることが明らかになった。
常用労働者10人以上の事業所とその従業員が対象
この調査は全国から無作為に抽出された民間事業所の約19,000事業所と、その事業所に雇用されている約12,000人の従業員を対象に実施。
平成22年10月31日時点での状況について
事業所調査は70.4%、労働者調査においては60.8%の有効回答を得た。
今回調査から「退職者」の新規項目が追加に
今回の調査から新たに「退職した労働者」の項目が追加。メンタルヘルスが理由で過去1年間に
退職した労働者がいる事業所は2.8%。
休職または退職した労働者のいずれかがいる事業所は7.3%に上っている。
また、長期休職後に
職場復帰した労働者がいる事業所は3.7%。しかし、職場復帰に際して、
明文化されたルールがあると回答した事業所は全体の21.6%にとどまり、事業所の規模が小さくなるほど、明確なルールは定めておらず、その都度、
相談して対応している現状が浮き彫りとなっている。
急がれる「景気対策」と「メンタルヘルス対策」
企業の多くが不景気対策としてコスト削減を進めているが、この中には早期退職制度による
人員削減も増えている。
また、
パワハラや
いじめ、
退職勧奨や
強要などから
うつ病などを発症し、労働裁判になっているケースも増えてきているなど、
雇用側のメンタルヘルス対策は今後、非常に重要な課題になるのではないだろうか。
平成22年 労働安全衛生基本調査 -厚生労働省-<参考>平成17年の調査結果の概要 -厚生労働省-