33人中14人だけに年金を支給
チリ北部サンホセ鉱山で昨年発生した落盤事故から、1年あまりがすぎた。
69日間にわたって閉じ込められた作業員33人は、救出後「英雄」としてあつかわれたが、その後の暮らしは困窮している。
そんな元作業員のうち14人に終身年金が支払われる、と8月30日に発表された。月額は25万ペソ(約4万1000円)。
14人にだけ支給される理由は、救出後の体長や年齢を考慮した結果、とされている。実際にはこの14人が後遺障害を訴え、年金の前倒し支給を訴えていたことによると見られる。
映画、書籍出版、マラソン……英雄たちのその後
救出後、作業員たちは世界中から「英雄」として賞賛された。米国ではドキュメンタリー番組が放送され、「33人」と題した映画の制作も進行中。
書籍も複数出版された。2010年の12月には英国の人気サッカーチーム、マンチェスター・ユナイテッドに招待された。東京マラソンに出場し、自己最短記録で完走した元作業員もいる。
救出直後には、寄付や支援金で1人当たり1万7000ドル以上を受け取った。
ただ多くの作業員は、職を失った上に、PTSDや不眠などの後遺障害に苦しんでいる。鉱山作業員特有の病気「珪肺」をわずらう者もおり、生活に困窮する者が少なくない。
元作業員らは損害賠償を求め、今年7月、1人当たり54万1000米ドル(約4000万円)の損害賠償金を求める民事訴訟を起こした。
◆CNN.co.jp
チリ鉱山から生還の作業員らに終身年金「回復の助けに」http://www.cnn.co.jp/world/30003842.html?ref=ngチリ鉱山事故で奇跡の生還の作業員、国相手に損賠訴訟http://www.cnn.co.jp/world/30003404.html