放射線はニコニコ笑ってる人にはこない
日本対がん協会が9月1日づけで、発表した「朝日がん大賞」に、長崎大学大学院教授の山下俊一氏が選ばれた。
福島第一原発事故による福島県民への健康調査、被爆医療が評価されたという。
山下教授は事故後直後の福島に入り、地元住民への講演会で「放射線の影響はにこにこ笑ってる人には来ない、くよくよしてる人に来る」などと語ったことで知られる。
ドイツのシュピーゲル紙にこの発言の真意を問われ、住民たちがあまりに真剣で誰も笑わないから、と答えている。
また、事故前は法律で1ミリシーベルトと定められていた放射線被曝の基準値についても、「100ミリシーベルト以下は安全」とするなど、独自の安全基準を開陳した。
刑事告発されている受賞者
福島県放射線健康リスクアドバイザーに就任した山下教授は、職務をはたさず子どもや一般市民を危険にさらしたとして、刑事告発されている。
正確な情報を伝え、子どもたちを速やかに避難させなければならない状況であったにもかかわらず、意図的にサボタージュした、として罪を問われたもの。
朝日がん大賞は「将来性のある研究や活動等を対象に贈るもの」だという。子どもたちの未来を傷つけ、がんに苦しむ人を増加させるだろう人物の受賞は、ブラックジョークにも思える。
◆日本対がん協会
朝日がん大賞http://www.jcancer.jp/archive/asahi/◆シュピーゲル オンライン
http://www.spiegel.de/