放射性物質が集まる下水処理場
各地でセシウムなどの汚染が検出される中、東京都の下水処理施設が深刻な汚染を隠している、とジャーナリスト、井部正之氏が告発した。
処理施設には、下水を通じて広範囲から汚染物質が運ばれてくる。6月のデータで
年間7847億ベクレルの汚染物質が集まると試算される。通常の処理により、これが濃縮・焼却されている。
汚泥に含まれる放射性物質量にくらべ、処理後の焼却灰に含まれる量は、約2割少ない。
消えたこの2割は、焼却時に発生する排ガスなどに含まれて、環境に放出されているものとみられる。
この放出量を試算すると、
年間の排出量は商業用原発1基分の発生量に匹敵する。東京に突如、原発ができたのと同じ、と言える。
青森県六ヶ所村にある核燃料再処理工場で排出量の上限とされている数値に比べても、
約8倍多い。それだけ莫大な量の放射性物質が、下水処理場の煙突からガスとして排出されていることになる。排ガスを吸い込むことで生じるダメージは、
外部被曝の50万倍とされる。
License Some rights reserved by flyone安全宣言を出すための検査
都議会で柳ヶ瀬議員が問いただしたのに対して、都の下水道局は「検査を行った結果、焼却時に発生する排ガスから放射性物質は検出されなかった」と反論した。
ただ、この検査方法は、原子力安全委員会が定める「代表的な測定条件」に比べると、サンプル量も、計測時間もはるかに少ない。
意図的に検出できない手法を用いたのではないか、と指摘する専門家もいる。
都は近くこの「検査結果」をもとに下水処理場は安全と発表する予定だ。
山谷から労働者を動員
安全性を強調する下水処理施設だが、現場作業させるため、山谷から労働者を動員しているという報告もある。
6月には
大田区の処理施設で避難地域と同レベルの汚染が確認された。
現実に危険性を認識しながら「安全」と強弁する姿勢は一貫している。

◆東京都下水道局
http://www.gesui.metro.tokyo.jp/◆柳ヶ瀬裕文オフィシャルサイト
http://yanagase.org/◆ECO JAPAN
どうなる放射能汚染物の処理【4】
“原発並み”の放射能抱える東京の下水道施設http://eco.nikkeibp.co.jp/article/report/20110729/107086/◆伊部正之 wiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BC%8A%E9%83%A8%E6%AD%A3%E4%B9%8B