田中耕一氏が委員へ
与野党は、東京電力福島第一原発事故の原因を検証する国会原発事故調査委員会の委員に、ノーベル化学賞受賞者で島津製作所のフェローである田中耕一氏を起用するよう調整していることがわかった。
衆参両院議院運営委員会は12月1日に合同協議会を開き、田中耕一氏が委員となることを承認し、翌12月2日に衆参両院議長が任命する予定である。
国会原発事故調査委員会の委員は民間の有識者10名で構成されている。委員長には、元日本学術会議会長であり、元内閣特別顧問でもある黒川清氏が就任するよう内定している。
他の委員には、地震学を専門とする神戸大学名誉教授である石橋克彦氏、元原子炉技術者でサイエンスライターの田中三彦氏などを起用する予定だ。
田中耕一氏の業績
田中耕一氏は1983年に東北大学工学部を卒業後、島津製作所に入社した。島津製作所に入社した後は、技術研究本部中央研究所に配属され、化学分野の研究を行った。
そして1985年にたんぱく質の質量や立体構造を解析する「ソフトレーザー脱着法」を開発し、2002年にノーベル化学賞を受賞した。現在は内閣府総合科学技術会議専門委員も務めている。
田中耕一氏は原子力については専門外である。しかし与野党は、原子力とは異なる視点で事故を検証して欲しいという思いから田中耕一氏を国会原発事故調査委員に選んだ。
専門外だからこそ気づく視点や考え方があると思うので、田中耕一氏には公平な視点で事故調査を行っていただきたいと思う。
東京電力
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