妊娠の女子アナ福島から避難
福島テレビでアナウンサーとして活動していた原田幸子さん(37)が妊娠を機に退職し、実家のある金沢へと移住した。
北陸中日新聞のインタビューに対し、放射性物質による汚染に危機感を感じたことが動機と語っており、物議を醸している。
福島は戦場 伝えていた情報に疑念も
原田さんは福島第一原発事故直後に6歳の娘だけを実家のある金沢に避難させた。
その後、福島と金沢を行き来する生活が続く中、福島に戻る際は東北新幹線の中でマスクを着用するのが「戦場に帰るために切り替えるスイッチだった」と語る。
放射性物質による汚染に危機感を抱きながらも、担当番組内では、幼稚園児に洗っていないサクランボを食べさせるなど『安全性』をアピールする報道を続けていたという。
待望していた第二子の妊娠が判明したことで、今年7月末をもって福島テレビを退職。金沢に移住した。
他局のアナウンサーである夫の池田速人氏は福島に残っている。
「ザンゲなし」と日刊ゲンダイ
そんな原田さんの選択について、日刊ゲンダイは21日、「ザンゲもなしに」と非難する記事を掲載した。
仕事として安全性をアピールしてきたアナウンサーが、自分だけ逃げ出したことに対して、
ネット上で「話題になっている」と報道。
「いろいろ苦悩したのだろうが、ザンゲするわけでもなく、平然と新聞に出てこられると、県民ならずとも違和感を覚える」
とした。
ただネット上にはむしろ同報道を非難する声が高い。「安全」を伝えた原田さんについて、仕事だから仕方なかったのだろう、と同情。
避難を「逃亡」と断じた日刊ゲンダイに対して、強い批判の意見が見られる。
原発事故当初から疑念を持たれてきたマスコミ報道だが、実際に、報道内容について罪悪感を持ち、「安全」なはずの福島から避難したアナウンサーの行動は、今後のマスコミ報道に対してどう接するべきか、指標とすべきだろう。
◆日刊ゲンダイ
http://gendai.net/articles/view/syakai/133816◆福島テレビ 原田幸子
http://www.fukushima-tv.co.jp/anna/harada/ana_harada.htm