文科省は1990年の基準に固執
低線量の被ばくがもたらす危険性について、文科省は最新のICRP(国際放射線委員会)を無視。あえて1990年代の基準に固執していることがわかった。
文科省にインタビューを行ったのは、吉本興業所属の芸能人で、元医大生の「おしどり・マコ」氏。
マコ氏はその経歴を生かし、福島第一原発事故以来、政府関係者などに直接取材を行っている。
直接放射線を浴びていない細胞もがん化する
文科省では、あえて1990年代に出されたICRPの勧告を基準に、放射線の安全性を判断している。
20年以上を経て、医学は長足の進歩を遂げており、低線量被ばくの危険性についても、新たな論文が数多く出されている。
その中には、被爆した細胞から伝えられる情報によって、被ひばくしてない細胞ががん化する「バイスタンダー効果」や、被ばくした細胞がその直後ではなく、何代も細胞分裂をくり返した後に、悪性形質転換や染色体異常、遺伝子突然変異などを生じる「ゲノム効果」といった新しい発見も含まれる。
「議論」している最中にも子どもたちは被ばくする
新しい研究を踏まえ、ICRPでは2007年に低線量被ばくのリスクについて、基準を見直すよう勧告を行っている。
この勧告を取り入れないのか、とのマコ氏の質問に対し文科省の担当者は「勧告の取り入れについて現在議論している最中」と答えた。
ところがさらに、どういった機関でいつ議論がなされているのか、詳細を問われると、議論自体なされていない、と言をひるがえした。
内部被曝は、一般に日本国内で報じられているより、はるかに危険性が高い。またそのことを政府は把握しようとしておらず、誤魔化しに終始しているのが現状である。
◆magazine9
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