福島市のコメが国内初の基準値超え
福島県は16日、福島県大波地区の農家が自主検査に持ち込んだコメから、暫定基準値を超える放射性セシウムが発見されたことを発表した。
国内初の基準値超え、として大々的に報道された。
発見されたのは自主検査から
問題のコメは福島市大波地区の米農家が自主検査に持ち込んだもの。630ベクレル/kgと、コメでは初めて、500ベクレル/kgの基準値を超えた。
ただ、近隣地区ではすでに近似値を出すコメは見つかっている。福島市のすぐとなりにある二本松市では、9月半ばに500ベクレルを検出。再検査でも490ベクレルの数値が出た。
大波地区で630ベクレルが検出されても、特に不思議はない。
問題とすべきは、この数値が自主検査で初めて検出されたことだろう。早場米などを含め、福島県では、コメの放射線検査は8月から行われてきた。
大波地区では9月半ばまでにすでに136ベクレルを検出しているが、暫定基準値以下ということで、出荷規制は行われてこなかった。
もし今回の農家が自主的な検査を行わなければ、高濃度に汚染されたコメが、市場に出回っていたはずだ。
今回のケースから類推すると、すでに見逃された汚染米が市場に出回っている、と考えるのが自然だろう。
東北、北関東のコメは再検査すべき
もともと、500ベクレルという基準値そのものが高すぎる、という声は専門家の間にも高い。主食であるコメが他の食べ物と同じ基準値でいいのか、議論をつくすべきだが、その結論が出る前に、出荷されているのが現状だ。
ましてや、今回の事例から、自治体やJAが行ってきた検査には、検査漏れや誤差が大きいのでは、という疑念が生じている。
土壌が高レベルに汚染されている東北、北関東では、再度の検査が必要だろう。
「風評被害」で販売が難しい中、検査で500ベクレル以上の数値が出れば、補償を求められるのだから、むしろ農家を救済する意味でも、精度の高い再検査が望ましい。

◆47NEWS
http://www.47news.jp/medical/2011/11/post_20111116211203.php