TPP交渉は参加? それとも不参加?
野田首相が参加の意向を示すTPP交渉について、国論を二分する状況が続いている。
15日の参議院予算委員会で野田首相は、自民党山本一太議員の質問に対し、国益を損ねる場合は交渉に参加しない可能性に言及。党の内外から、国外と国内で発言が違う、との批判を浴びた。
ドラッグロスも交渉の対象に
そんな中、新党改革の舛添要一代表は、現代ビジネスに掲載したコラムの中で、TPPが国内に利益をもたらすケースもある、として医療分野の改革を例にあげた。
国内の医療機関などはTPPに強い危機感を示し、反対の姿勢をとる団体が多い。
TPP交渉の俎上に医療分野が上がった場合、大きな焦点となるのが、新薬の承認だ。アメリカでは1年半ですむものが、日本では4年かかるという。この遅れは「ドラッグロス」と呼ばれる。
最高裁判決を米がくつがえす?
承認されていない薬を使いたければ、海外から個人輸入するしかない。個人輸入した薬を使用すると、その薬が保険適用されないだけでなく、治療のすべてが保険の対象外となる。
保険適用外の薬と健康保険適用の治療を混合して行ういわゆる「混合診療」について、最高裁判所は今年10月、これを禁止しても違法ではない、という判断を下した。
患者側にとっては、大きな後退と言える判決だ。この混合診療がTPP交渉の対象になれば、米国側は大きな圧力をかけてくることが予想される。
最高裁判決といえども米国の圧力にはかなわない。利害が複雑に絡むTPPには、こういった側面もある。
◆日テレNEWS24
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