ロシアが原子炉を全面提供
福島第一原発事故以降、世界各国で原発推進が見直されている。その一方、エネルギー不足に悩む国では、原子力発電への指向が依然健在だ。
2日、インドに隣接する最貧国バングラデシュは、原子力発電所の建設について、ロシアと協定を結んだ。
同国初となる1000メガワット級の原発2基をロシアの全面的な援助で建設するというもの。
大地震、津波対策は万全?
ロシアは提供する原子力発電所について、福島第一原発事故を教訓に、大地震や津波に耐えられる第三世代の原子炉を建設する、とした。
重量4000トンの航空機が落下してきても耐えられる構造という。
ただ、バングラデシュは国土の大半が低湿地帯であり、高潮や河川の氾濫にしばしば襲われる。
もともと肥沃な国土にもかかわらず、最貧国となっている原因には、こういった被害に加え、タイフーンの頻発もあげられる。
都市国家をのぞけば、最も人口密度の高い国であり、もし事故が発生すれば、その被害は大きなものになることが予測される。
今回、ロシアは災害対策に万全を期す、としているが、そのコストについては明言を避けた。海外の情報筋によると、建設コストは1基あたり1.5~2億ドルの間という。
慢性的な電力不足
バングラデシュでは、電力の供給を受けている個人は、総人口の半数程度とされる。
一日あたりの発電量は5000メガワットで、約1000メガワット不足している。この慢性的な電力不足が産業の進行を妨げている面は大きい。国際原子力機関(IAEA)も、今回の原子炉建設について承認を与えた。
太陽光発電や風力発電がまかなう電力量は、需要の1%未満という。
◆CNN
http://www.cnn.co.jp/world/30004494.html?ref=ng