自民政権末期の麻生政権が廃止を閣議決定していた法案
職業体験施設「私のしごと館」(昨年閉館)などの豪華施設建設で批判を浴びた独立行政法人雇用・能力開発機構(以下:同機構)を廃止する法案が22日、衆院本会議で民主・自民などの賛成多数により可決・成立した。
同機構の廃止は自民党政権末期、2008年12月に閣議決定済みであった。しかしリーマン・ショックなど雇用情勢の悪化で法改正が遅れていた。
「勤労者福祉」の一環で各地に豪華施設建設
炭鉱労働者の転職支援などを手掛けていた雇用促進事業団が同機構の発端。全国に雇用促進住宅を建てたほか、職業能力開発のための学校を全国に設置した実績はある。
だが、勤労者福祉の一環で各地にコンサートホールやスパハウスなどの豪華施設を雇用保険料などで建設。無駄遣いが批判され、1990年代後半からは行政改革の対象の常連になっていた。
10月1日に新機構発足~自治体では難色を示す声も
職業訓練事業などは10月1日に発足する新機構「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」に移管される。また譲渡期限については、当初4月1日発足予定をしていたが、10月1日発足・施行の修正に伴い、2012年度末から2013年度末と特例期限を設けている。
一方、全国に置かれた職業能力開発促進センターは各都道府県に移管を目指している。同機構の約3千人の職員は一度退職して採用選考を受ける予定だが、全員の雇用は確約されていない。各自治体は負担が増えることに難色を示しており、受け入れには時間がかかりそうだ。
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