平安時代の大津波の痕跡から危険性を指摘
東日本大震災による大津波が直撃した、福島第1原発について、2年前の2009年の段階で、過去に発生した大津波の痕跡を調査していた研究者から、福島第1原発が大津波に襲われる危険性を指摘されていたことが、3月26日に明らかになった。
危険性については、2009年に実施された審議会で指摘されたもので、研究者らは、平安時代の西暦869年に発生した、貞観津波の痕跡を調査。同津波の痕跡が、宮城県石巻市から福島第1原発の近くにまで分布いることから、大津波の可能性について指摘したが、東京電力側は、地震想定の変更を行わなかった。
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東京電力ホームページ東電、地震想定の引き上げに難色
研究者らの指摘に対し、東京電力は、情報の不足を理由に地震想定の引き上げに難色を示し、耐震性には余裕をもって設計していると主張。津波の想定については結論を先送りし、地震想定も変更されなかった。
国の原発耐震指針は2006年の改訂で、極めてまれに発生する大津波にも耐えうるように求めるなど、内容が大幅に改訂されている。その新指針をもとに、東京電力は、福島第1原発の耐震設計について、その目安となる基準地震動の引き上げを経済産業省の原子力安全・保安院に報告。保安院は、研究者らに内容の検討を求めた。
大津波の危険性を指摘した、独立行政法人・産業技術総合研究所、活断層・地震研究センター長の岡村行信氏は
原発の安全性は十分な余裕を持つべき。不確定な部分は考慮しないという姿勢はおかしい
と、述べている。
47NEWS「大津波、2年前に危険指摘 東電、想定に入れず被災」
http://www.47news.jp/CN/201103/CN2011032601000722.html